【Obsidian x Claude Code②】Vaultフォルダ構成と指示書を書く
前回はObsidianとClaude Codeで毎朝のDaily Briefを作る概要を書いた。 第2回は土台になるVault設計について。 フォルダ分けとVault直下のCLAUDE.mdに何を書いたかをまとめる。
参考サイトを元に、実際にVaultの設計を作ってみた。 参考: How to Build an Obsidian Knowledge Vault That Gets Smarter Every Day
1. Vault全体のフォルダ構成
ObsidianVault/
├── CLAUDE.md # Vaultの取り扱い指示書 (Claude Code用)
├── inbox/ # 自動キャプチャの着地点
├── notes/ # 処理済みの整理ノート (1ソース1ファイル)
├── ideas/ # 自分の出力 (思考・観察・ボイスメモ)
├── projects/ # 進行中プロジェクトのメモ
└── briefs/ # Claudeが毎朝書くDaily BriefObsidian運用事例だと10フォルダ前後に分ける例もよく見るけど、最初から細かく分けると挫折しそうなので、参考サイトを参考に最小限で分けた。
2. 各フォルダの意味
| フォルダ | 中身 | 入れる主体 | 入れるタイミング |
|---|---|---|---|
inbox/ |
取り込んだままの生の記事 | 自動 (Web Clipper / iOS共有) | キャプチャ直後 |
notes/ |
読み終えて整理した記事ハイライト | 自分 (手動) | inboxの記事を処理した時 |
ideas/ |
自分の思考・観察・ボイスメモ | 自分 (手動) | 何か考えた時 |
projects/ |
進行中の作業メモ | 自分 (手動) | プロジェクトに着手した時 |
briefs/ |
Claudeが毎朝書くDaily Brief | Claude (自動) | 毎朝6:00 |
99_archive/ |
旧Vault退避 | 移行時 | 1回だけ |
「他人の入力」と「自分の出力」を混ぜないというルールも参考サイトのまま使用する。
- 他人の入力:
inbox/notes/ - 自分の出力:
ideas/projects/ - AIの出力:
briefs/
混ぜると半年後に「自分が書いたメモ」と「人の記事の引用」と「AIの出力」の見分けがつかなくなる。見分けがつかないと、ClaudeがVaultを読むときも文脈を取り違える。
3. CLAUDE.mdに書いた6セクション
CLAUDE.mdはClaude Codeが会話開始時に自動で読み込んでくれるファイル。
Claude Codeは起動したカレントディレクトリから親方向にたどってCLAUDE.mdを探すので、Vaultのルート (Obsidianで開いたときに最初に見えるところ) に置いておけば、Vault配下のどこでclaudeを起動しても拾ってくれる。
ただし公式ドキュメントにあるとおり、CLAUDE.mdの内容はシステムプロンプトではなくユーザーメッセージとして渡される「コンテキスト」なので、絶対に従ってもらえる設定ではない。書いたことを完全に守らせるものではないと思って書く。
Vaultが小さいうちは1ファイルで完結させる方が見やすい。
3-1. 自分の役割
何者で、どんな仕事をしていて、いまのフォーカスは何かを2〜3段落で書く。Claudeに「誰のVaultを読んでいるのか」を最初に伝える。
- 役割: Webエンジニアで技術ブログを運営している
- 現在のフォーカス: Next.js / Astro / Tailwind v4 の習熟、Claude Code を活用して
思考と作業を拡張する仕組みづくり
- 2026年の目標: stock-blog を月20本出す、ナレッジシステムを稼働させる3-2. 現在のプロジェクト
Active / Stuck on / Next milestoneの3つに分けて、いま動かしているプロジェクトと、止まっているもの、次のマイルストーンを書く。「今日何に集中すべき?」と聞いたとき、Claudeはここを参照する。
3-3. このVaultの使い方
上で書いたフォルダの意味を、Claude向けに説明する。
- inbox/ — 自動キャプチャの着地点。未整理でよい。迷ったらここに入れる
- notes/ — 処理済みの記事・ハイライト。1ソース1ファイル
- ideas/ — 自分の出力 (思考・観察)
- projects/ — 進行中プロジェクトのメモ
- briefs/ — 毎朝6:00にClaudeが自動生成するDaily Brief3-4. Claudeに期待する振る舞い
「Claudeに何をしてほしいか」を箇条書きで宣言する。
- 連結を見つけて指摘してほしい: 私が気づいていない、Vault内の記事と最近の関心の繋がりを示す
- 同意する前に前提を疑ってほしい: 私が言ったことが過去のメモと矛盾していたら、根拠つきで指摘する
- 「今日何に集中すべき?」と聞かれたら、Vaultの文脈から答える
- 過去の自分との矛盾を flag する
- 朝のBriefではタスクではなく問いを返すここを書くと、Claudeの返事が一般論から「自分のVaultに沿った返事」に変わる。
3-5. 文体・出力ルール
Claudeが文章を書くとき (Brief、メモ、リプライ) のルール。
- 応答は日本語のですます調を基本にする
- stock-blogのブログ記事を生成するときは「だ・である調」
- 日本語の中に半角スペースを入れない
- 事実だけを淡々と書く。感想・心情・読者への呼びかけは入れない出力をブログに使用することがあるので追記した。
3-6. 今週ハマっていること
毎週月曜の朝に5分だけ自分で更新する「What I Am Reading and Thinking About」セクション。 今ハマっているテーマ、抱えている問い、答えを探していることを5〜7行書く。
### 2026-05-19 (今週)
- Obsidian + Claude Codeを使った「外部記憶として育てるナレッジ Vault」の運用設計
- 自作スキルとサブエージェント連携の精度向上
- stock-blogと闘病ブログの更新
- Next.jsの勉強CLAUDE.mdの中で唯一「今」の情報が入る場所。Daily BriefのPATTERNやQUESTIONはここから関心の中心を読み取ってくる。
4. 「迷ったらinboxに入れる」
inbox/は「未整理でよい」場所。Web Clipperで取り込んだ記事、思いついたこと、後で考えるネタ、迷ったものは全部ここに入れる運用にする。
整理しようとして手が止まるくらいなら、入れて先に進むようにしたい。 挫折しないようにゆるく...!
「整理は後でやる」と決めると、整理しないままになるのが普通だけど、Vaultはそれでよい。整理は手動でやらず、毎朝のDaily Briefに「これはnotes/に昇格すべきか」を判断してもらう設計にした。
5. inbox→notesの昇格判断
1週間運用してわかったこと。inboxの記事を全部notes化する必要はない。 3つの基準で振り分ける。
| 判断 | 行き先 |
|---|---|
| 後で参照する価値ある / 自分の思考の素材になる | notes/ に整理して移動 |
| 面白かったけど参照しないと思う | inboxから削除 |
| まだ読みきれていない | inboxに置いたまま |
notesに上げるときは1ファイルに3つの要素を書く。
- 元記事の情報 (フロントマター)
- ハイライト3〜5箇所 (直接引用 + 1行の自分のコメント)
- 関連する自分のideasや他のnotesへのリンク (
[[...]]記法)
サンプル (架空):
---
title: Claude Code Skillの作り方
source: https://
captured: 2026-05-16
processed: 2026-05-17
tags: [claudecode, skills]
---
## なぜ保存したか
descriptionの書き方が自分のblog-md-creator改善に直接効く。
## ハイライト
> descriptionが曖昧だと、Claude Codeが「いつこのSkillを使うべきか」を
> 判断できず、トリガーされない
→ blog-md-creator の description に「いつ使うか」をもっと明示する。
## 関連
- [[ideas/2026-05-15-skill-hoge]]
- [[notes/hoge]]ハイライトは引用 (15語以内) + 自分のコメント1行。 元記事のURLが残っているので、全文コピペはしない。
6. Daily Briefが整理を促してくれる
inbox→notesの整理は最初手動で全てやろうとすると挫折すると思ったのでDaily Brief側から促してもらうようにした。Brief自身が「この記事はnotesに昇格すべきでは?」と何度も指摘してくれる。
考えるポイントは「フォルダをいくつ作るか」ではなく、「Briefが指摘材料に使える状態に置けているか」だと思う。具体的には、
inbox/にWeb記事が入っている → Briefが連結を出せるideas/に自分の問いや観察が残っている → Briefが過去の自分と現在の自分を比較できるCLAUDE.mdの「今週ハマっていること」が更新されている → BriefのPATTERNが今の関心を踏まえてBriefを出力してくれる
7. 残課題
notes/への昇格を半自動化する余地: Briefが指摘 →まだ手動運用ideas/の運用が薄い: 自分の思考を文字に落とすルートが固まっていない。ボイスメモ → Vaultの連携が次の検討対象
参考リンク: